密室の恐怖・改

はじめにお断り書きを少々述べさせていただきます。
実はワタクシ、以前には別の場所でブログを開設しておりまして、
まあ、今と変らず駄文を書き散らしておったわけで御座います。
しかしイロイロ御座いまして、こちらの場所に移ってしまい、
古いブログの方を「放置プレイ」とさせていただいておりました。
が、旧ブログがこのたび強制削除されましたので、
旧ブログにてエントリーした記事の中から
まあ何とか読むに耐えるであろう物に若干修正を加えて
この場に再エントリーさせていただくことにいたしました。
ですから、もし今回のワタクシのお話をお聞きになって、
「あれ、これどこかできいたことがあるな」
と思われる方がひょっとしたら、いらっしゃるかも知れませぬ。
その時は、恐れ入りますがはじめて聴くような顔でお付き合いくださいませ。

では前置きはここまでといたしまして、
今宵のワタクシのお話をお楽しみください。


いきなりですが、ワタクシ、JR等にて設けられている
「女性専用車両」を支持いたします。

女性受けを狙ったキザな意見と思われるかもしれません。
確かに、少し前までなら、「女性専用車両」に批判的でございました。
しかし、ある出来事がきっかけで、
意見を180度変換させる事になったので御座います。
その出来事を少々長くはなりますが、お話しいたしますので、
よろしくお付き合いくださいませ。

あるとき、ええ数年前のことで御座いますが、
日差しもまだ残る夏の夕暮れ時、
18時頃のことだったと記憶しております。
ワタクシはポケットに壱万円札を一枚しのばせ、
18歳未満お断りのビデオを扱う店に足を踏み入れたので御座います。
ええ、「彼女」なんぞ想像上の生物であるワタクシにとって、
そこは、仮初めとはいえ、気に入った恋人を見つけ出す神聖な場で御座います。


「お気に入りのあのコの新作は入っただろうか?」


「新しく、良いコがデビューしていないだろうか?」

ワタクシは期待と興奮とで少々緊張しながら、
店内へと足を進めたので御座います。
そして恭しく「18禁」と記された暖簾を勢いよくはねあげると、
ワタクシは襟を正し、眼鏡を拭き、期待に胸を膨らませながら、
目を皿のようにして陳列棚をひとつ残らず見てまわったので御座います。
ええ、万に一つの見落としすら今のワタクシは認めたくないので御座います。
この姿をワタクシの上司が見たならば、

「それだけの集中力、執着心、根気をどうして仕事にいかさないのか」


と嘆いたに相違御座いませぬ。
なに、この瞬間のワタクシにとりましては、
上司など「ガラスの向こうの物語」で御座いますよ。

さて、ワタクシが入りました店について、少々説明を加えなければなりません。
その店は、いわゆるエンピツビルと申しまして、
都会の少ない空間を有効に利用しようと、
小さな土地の上に建てられた細長いビルの5階に御座いました。
そのビルには3人も乗ればいっぱいのエレベーターが御座いまして、
階段は無く、いえ、存在はしたのですが非常用階段として
一般の客には使用できないことになっておりました。
それ故その小さなエレベーターのみが、店内に客を運ぶ手段で御座いました。
店はそうですね、この手の店としては大きく、客もワタクシのほかに
5、6人はいたと記憶しております。

ともあれ、ワタクシが店内を必死で物色しておりましたところ、
店に新たなお客が入ってこられたので御座います。
その方は、身長こそ170cmくらいと普通ですが、
がっちりとした体格の体毛の濃く、髯も濃い、
50歳くらいのやや油ギッシュなおじさんでごさいました。
ワタクシは最初はさほど気の留めなかったので御座いますが、
そのお方は、店内の一角にある、
「女なんかよりも男の方がずっといいぜ」という方のためのコーナー、
まあ、言うところの「ホモ・セクシャル」の方の専用コーナーに
まっすぐ足を向けられたので御座います。

ええ、ワタクシは当然のことながら、
「野郎なんかより女性の方が大好き」な人間でございますし、
身近にも、「ホモ・セクシャル」の趣味をお持ちの方がいませんでしたので、
しばしその「ワイルドなおじさん」を興味深げに見ておりますと、
その「ワイルドなおじさん」はワタクシの視線を感じたのかこちらを
じっと見つめ返してこられました。
いや、ワタクシとしては特にやましいことは御座いませぬが、
なんとなく悪いことをしたような気になって、
目をそらしてしまったので御座います。

こういうお店では、客同士は互いの存在は意識しながらも、
お互いを詮索しないのが暗黙のルールで御座います。

「お互いに目をあわさず、

さりとて他人が商品を吟味するを妨げず」


これこそが、「さびしい男達が集う店」の中での正しい振る舞いと心得まする。
例え男色を好まれる方をあいてにしても、で御座います。
ですから、その暗黙のルールを破って
しげしげと相手を見つめてしまったワタクシに対して、
あの「ワイルドなおじさん」は、
睨み返すことによって無言の抗議をされたので御座いましょう。

おや、夜もスッカリとふけてまいりました。
続きはまたの夜にということにさせていただきます。

次回密室の恐怖改2 へ続きます


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    Excerpt: では、さっそく前回のお話の続きをさせていただきます。 Weblog: 御伽衆 racked: 2008-12-02 00:37