町内会長Aの事件簿 1 「だったら辞めます」

我が父、Aがとある田舎町の町内会長に就任いたしました。

御年76歳の高齢ながら、毎日散歩する我が父の姿は、
周りの方には健康そのものに見えたのでしょう。
元気で、しかも暇をもてあましている老人など、
町内の役を押し付けるのに最適な人材でありました。

とはいえ、同じ屋根の下に暮らすものからみると
町内会長の仕事って、結構めんどくさいものです。
就任そうそう、父の頭を悩ます事件が起こりました。

おそらく多くの町内でも同じと思うのですが、
我が町内では、町民をいくつかのグループに分け、
それぞれのグループを「組」とし、
そのグループのとりまとめ役を「組長」として、
各組の雑務の取り纏めを担当してもらっています。

「組長」は各組の組員の持ち回りでありまして、
町内会に入っていれば、否が応でも数年に一度は担当せねばならないものです。

ええ、そりゃ、誰でも金にもならない仕事なんぞ、引き受けたくはありません。
しかし、町内会に加入する限り、必ず「組長」を経験せねばなりません。

でも、ある人はこう考えます。

「じゃあ、町内会を退会すれば、『組長』をしなくてもいいじゃん」

かくして、「組長」への就任が予定されていた人が立て続けに3人も町内会を退会する
という異例の事態になりました。

父はぼやきます。
「そんなに組長の仕事って大変なんか?」
母曰く、
「最近は町内会に入っていなくても、何の不都合もないからねぇ」



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