町内会長Aの事件簿 2 「会長さんの仕事でしょ!」

人の集まりの中で、仕事の範囲を決めるというのは難しいモノです。
とくに、町内会のようにお金儲けを目的せず、
組織内の仕事の職分が明らかでない団体では尚更のことです。

町内会の役員は、無報酬です。
しかも、会社と違って、指揮命令関係にありません。
そう、例え「町内会長」なんて大層な肩書きを持っていたとしても、
その他の役員の意に反して命令を下す事は出来ません。

とすると、なんとか楽をしようとする人が出るのは必然のことです。

毎年恒例の町内会行事として、「歳末友愛募金」のとりまとめがあります。
『募金』とは建前上、各個人が自らの意思でかつ、個人の行為によるべきなのですが、
実際には各町内会が集金業務を担当しています。

さて、町内会長の父としては、お金のとりまとめは「会計」の仕事だろう、
と考えたようです。
「会計さん、それじゃ、募金の集計お願いします」

しかし、会計さんはこういって、その仕事を拒みます。

「前年度の会計さんから、そんな仕事の引継を受けていません(だからワタシはやりません)」

それで、前年度の書類を調べてみますと、
確かに歳末助け合い募金の集計業務は会計さんではなく、
町内会長が担当したことになっていました。
しかし前々年度以前は会計さんの仕事でした。
そこで、前年度の町内会長さんに問い合わせをしてみると、こう答えが返ってきました

「(前年度の)会計さんちが共働きで忙しいから、私が代わりにやった」

今年度の会計さんに昨年度の事情を説明した上で、
あらためて募金の集計業務をお願いしたところ、きっぱりとお断りされました。

「それでも、それは会長さんの仕事でしょ!」と。


情けは人のためならず。

一度でも前例が出来てしまうと、それは仕事を拒む強力な理由になります。
後任者のことを考え、「思いやり」のは程ほどに。


「NO」と言える国家―奪われ続ける日本の国富
ビジネス社
原田 武夫

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by 「NO」と言える国家―奪われ続ける日本の国富 の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル


この記事へのコメント

この記事へのトラックバック