町内会長Aの事件簿 4 「そんなこと、どこに書いてある?」

町内会長の仕事はたくさんありますが、
そのほとんどが、定例行事です。
つまり毎年ほぼ同じことの繰り返し。
とすれば、前年度以前の記録をたどれば、
町内会長は何をすれば良いのかなんとなく分かるもの。
しかも、最近は大容量のUSBメモリーのおかげで、
記録の引継がきわめて容易になっています。
あの手のひらに収まるスティック一本で数年分の町内会の記録がおさまるのです。

USBメモリーのもう一つの利点は、前年度以前の書類のデータを流用できることです。
なにせ、町内会の行事はほぼ毎年同じもの。
であるならば、USBメモリーに記録されている前年度の書類データの日付けと担当者を変えれば、
アラ不思議、あっという間に今年度の書類に早替りするのです。

ところがこれが意外な落とし穴になることがあるのです。

歳末友愛募金の集金業務が町内会による11月の定例業務になっています。
ですから町内会長である我が父も、
募金を集金するのための町内への回覧文書を作成することとしました。
その際、USBメモリーから前年度の文書を呼び出し、
必要な部分を今年度のモノに入力し直して効率よく回覧文書を完成させました。

まあ、文書の内容は、募金への協力の呼びかけと各組長さんへの取りまとめ依頼という、
例年通りのモノでした。
いや、前年度の文書をまるパクリなので、例年と全く同じ内容です。

ところがこの回覧文書に、とある組長から『イチャモン』がついたのです。

「組長は各組の募金の取りまとめをお願いします。」

この文言が意味不明であるとの物言いが付いたのです。
意味不明ならば、確認をしてくれればよいと思うのですが、
町内会長の指示が不明確であるとして、とある組長は
集金業務そのものを拒否するという行動に出たのです。

「『組長は募金を各家から集金しろ』とは、どこにも書いてないじゃないか!」と

確かに、『取りまとめ』という言葉は漠然としています。
とはいえ、今まではこの文言で町内の人に通じていました。
募金の集金も、各組長さんによる例年の業務でありました。
そのため、細かく説明しなくてもわかるだろう、という甘えのある文章であったことは否定できません。

前の文書を深く考えずに流用するのは危険であるという良い教訓になりました。


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