おだてられて2階に上がったら梯子をはずされた男の話3

それでは話の続きをさせていただきます。
先日は、ワタクシが「クラスの総意」なるものによって
「学級委員」に否応なく押し上げられた顛末をお話しいたしました。
ええ、「ブタもおだてりゃ木に登る」では御座いませぬが、
「無能な怠け者」たるワタクシが、おだてられ、なだめられ、すかされて
「学級委員」という2階に上がることに相成った次第に御座います。

さて皆様、学級委員の職責とは何で御座いましょうか。
もろもろ御座いましょうが、ワタクシが思いつきますものは
「クラスのホームルームの議事進行」で御座います。

それまで学級委員などしたこともないワタクシにとって、
議事進行するという立場で級友と向き合い、
黒板の前にたつのは初めてのことで御座いました。
そういたしますと、今まで見えなかったことが見えてくるので御座います。
今まで見えてこなかったこととは

「多くの級友はホームルーム中、心は別世界に飛んでしまっている」

ことで御座います。
ある者は近くの級友とおしゃべりをし、
またある者はこっそりと持ち込んだマンガを読みふけり、
またまたある者は眼を開け、顔を正面に向けたまま
白実夢に浸っているので御座います。

しかしてその実態はとは、以下の言葉に要約されるので御座います。

「誰かいい意見だして、トットとホームルーム終わらせてくれないかな

それまでの間、目立たないように何とかやり過ごしておけばいいや」

これが学級委員以外の級友の本心で御座います。
ええ、かく申しますワタクシも学級委員に成る前には、
ホームルームの時間とは心の中で
アニメソングをリフレインさせる時間で御座いました。

ともあれ、学級委員の職責のひとつ、「ホームルームの議事進行」とは
心ここにあらずの多くの級友達を前にして、
議題に対して強制的に意見を述べさせ、
その意見を元に「クラスの総意」を形成していくという、
まことに骨の折れるシロモノなので御座います。

さらに申しますれば、「意見の出ない静まり返った教室」
「活発に意見が噴出する議論の場」へと、変貌させるのかが、
「学級委員」「腕の見せ所」なので御座います。
ええ、学級委員にこのテクがなければ、
ホームルームとは、
ただただ静寂ばかりが教室を支配し、
級友達は心を別世界に遊ばせ、
さらに担任教師は苛立ちを募らせるという
重苦しく、居心地の悪い空気が漂う時間になるだけなので御座います。

さて、あるときのことで御座います。
何度目のホームルームで御座いましたでしょうか、
ワタクシにとっては毎度のことでございますが、
ホームルームの議事進行が滞り、
先に申し上げましたような
「重苦しい、居心地の悪い空気」が教室に蔓延しておりました。
級友達はすでの議題には関心がなく、
いえそもそも議題が何であるかすら忘れ去っているようで御座いました。
議論の泉はすでに枯れ果て、
あふれ出してくるモノは「静寂」と、級友たちの「ため息」のみで御座いました。
ええ、はっきり申しまして、ワタクシには学級委員として
ホームルームの議事進行という手綱をさばく腕はなかったので御座います。

そんな中で、遂に担任教師が苛立ちを
ワタクシに向けて爆発させたので御座いますが、
まあ、さすがは教育者、直接的な罵声は避け、
遠まわしの当てこすり、すなわち「皮肉」を用いて
その苛立ちを次のように表現したので御座います。

「曾呂利は本当にクラスをまとめるのがヘタだなぁ。
だいたいお前って、学級委員として影が薄いというか、
存在感がないよなぁ」


この言葉に、クラスのあちこちで失笑がもれたので御座います。
笑わなかったのは、おそらくワタクシだけだったのでは御座いますまいか。

その時で御座います、
ワタクシが「学級委員の職を辞する」を決意いたしましたのは。
ええ、ワタクシが学級委員に就任するときには多くの賛同者がいましたが、
ひとたび就任してしまいますると、
級友達の関心は引き潮のごとく離れていったので御座います。
さらには協力を約束してくれたハズの担任教師にまでソッポをむかれては、
ワタクシにはクラス運営を行う術が御座いませぬ。
また、クラス運営が再び円滑に行われるためには、
ワタクシが身を引いた方が良いと考えたので御座います。
ワタクシの一大決意は年度の途中ということで御座いましたので、
一大騒動を巻き起こしましたが、
それは「青春のほろ苦い思い出」、という事にさせてくださいませ。

ゆえに、かような経験をいたしましたワタクシは

『日本で一番「安倍晋三内閣総理大臣」の気持ちが分かる男』

を自認させていただきたく存じます。

そうそう、一言付け加えさせていただきますれば、
ワタクシは正真正銘の「無能者」では御座いましたが、
かの首相は決して無能では御座いませぬ。
結果として、似たような経験をなされたと言うことで御座います。
そこのトコロ、決してお間違いなさいませぬようお願いいたしまする。

おや、今宵もふけて参りました。
それではここまでにいたしたく存じまする。

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