時代を超えた相関図

時代劇の一コマ。

登場人物は悪代官浪人

悪代官:「おぬし、ナカナカ良い腕をしているではないか。
どうだ、その腕、わしに貸さぬか。
おぬしの働き次第では、ワシの家来として召抱えても良いぞ」

浪 人:「誠で御座るか?」

悪代官:「うむ、武士に二言はない。
だがその前に、そのほうの腕をシカと確かめておきたい。
試しにアル男を始末してもらおうか」

浪 人:「しかし・・・」

悪代官:「何をためらっておる?
後ろめたいことなど何もないのだぞ。
その男はお上に逆らう逆賊、
斬り捨てたところで、おぬしに何の咎もない。
それとも、そやつを斬る自信がないのか?」

浪 人:「腕には自信が御座る。
マコトにその男、お上に逆らう悪党なのでござるな?」

悪代官:「うむ、民百姓を困らせたうえに私腹を肥やす極悪非道の輩。
その上、その男を上手く仕留めれば、ワシが特別に褒美をつかわそう。
三両ほどでどうじゃ?
それだけあれば、おぬしの家族も年を越せるであろう」

浪 人:「分かった。その男の始末、確かに承った。
仕官の件、重ね重ねお願い申す」


数日後

浪 人:「ご命令どおり、何某某、確かに討ち取ってまいった」

悪代官:「うむ、確かに何某が死体で見つかったのと知らせが入っておる」

浪 人:「では先日の約定、果たしていただきたい」

悪代官:「うむ、そうであったな。
ささ、もそっと近うよれ、褒美を取らせよう。
ほれ、約束の三両じゃ」

 グサッ

浪 人:「うっ、なんと・・・おのれ、はかったな・・・」

悪代官:「オマエのような薄汚い浪人を召抱えるなどありえぬわ。
身の程を知らぬ夢を見おって。
仕官につられてただ働きとは愚かなヤツよ。
それに、こうしておぬしを始末してしまえば、
此度の一件、まさに「死人にくちなし」、
わしが仕組んだこととは誰にも分からぬわ。
ぬしのただ働きのおかげで簡単に邪魔者を消すことが出来た。
それも、一銭の金も使わずに、じゃ。
まさに一石二鳥よ、わっはっはっはっは」




現代の一コマ

登場人物は派遣社員とある企業の人事課長

課 長:「○○クン、よく頑張っているね。
君の働き次第では、正社員になれるかもしれないよ。
何せわが社は業績好調だからさ」

派 遣:「本当ですか?
一生懸命頑張ります!

課 長:「君の頑張りに期待しているよ」


数週間後


派 遣:「お約束どおり、頑張りました。
正社員に負けないくらい働きましたし、
残業代なしでも残業をこなし
正社員の嫌がる仕事も進んでやりました」

課 長:「ふーん、そう」

派 遣:「これでこの前のお話どおり、ワタシを正社員にしてくれますね」

課 長:「え、そんなこと言ったっけ?」

派 遣:「頑張れば正社員になれるって・・・」

課 長:「正社員にしてやる、なんて約束はしてないよ。
正社員になれるかもしれないとはいったけどね。
それにウチも今期の業績が悪くなってるからね、
正社員の採用なんか随分絞ってるんだよ。
それより、ハイ、これ」

派 遣:「なんですか?」

課 長:「解雇予告通知書。

来月から、君より時給で200円ほど安い人が来るから、
君はクビだよ」

派 遣:「そんな、いきなりなんて。。。」

課長(心の中で):『派遣社員を正社員にするなんて、めったなことではありえないのに、
信じるなんてバカなやつ。
ま、こうやって夢を見させておけば、
派遣社員は正社員になりたくて
安い賃金で真面目に働くから、人件費も安く上がる。
しかも派遣社員なら、不要になった時点で契約を打ち切れば
簡単にクビに出来るしから余剰人員を抱えずに済み、一石二鳥』

歴史は繰り返す、ということで御座いましょうか。
いつの世も、強いモノの都合のみで
物事が進んでいくように感じられてならないので御座います。



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